東京都品川区大人の超初心者のための
ピアノ・キーボード・ウクレレ音楽教室
~音楽のタネを一緒に蒔きましょう~
グレーヌ音楽教室
講師の秋庭ミモザです 🙂
10月になり、まだ少し暑い日が続きますね。いかがおすごでしょうか?秋のかほりが漂う夕方少し前などは、本当に気持ちがよく、窓を全開にして秋を楽しんでおります。
今回の記事ですが、楽器の練習をしているのに、なんだかうまくなっているのか不安だったり、実際に上手くなっていることを感じられていないため、楽器をやめてしまおうかな・・・と考えている方に向けて、あきらめる前に確かめてほしい処方箋を書いていきたいと思います。
私は3歳から音楽教室に通って今に至っていますが、なぜやめずにここまで続いたのか?どんな場面で成長を感じたのか?などの自分の体験をふまえて書いていきますので、よろしければお付き合いください。
楽器が上手くならない…諦める前に確認してほしいこと
2020年の今、自粛のムードもなんとなく薄まってきて、コロナ前の日常に戻りつつあります。自粛期間にここぞ!と始めた楽器ですが、続けられている人の割合ってどれぐらいなのでしょうか?
ギターの話になりますがFender(フェンダー)社のCEOアンディ・ムーニー氏の証言によると、ギター初心者が1年以内にギターをやめる割合が、90%である。と言っているようです。
う~ん、かなりの割合ですね、ちょっとびっくりです。
私の所にも『今までやってみたかったけど、仕事や子育てで時間がなくて・・・』といった、自粛期間を逆手にとって、楽器をはじめられた方も数名いらっしゃいました。また反対に、コロナをキッカケにやめてしまった方もいらっしゃいました。
その他でも、楽器をあきらめてしまう方の傾向として、超初心者の方が初めての挫折の期間として3か月くらいで辞めてしまう期間で多いかな・・・という体感があります。いわゆる『3か月の壁』です。
諦めてしまう理由は多岐に渡るとしても、おそらくですがこの魔の3か月の期間に『自分、上達した!弾けた!よく分からないけど楽しい!』という実感があったら・・・果たしてやめたでしょうか?きっとやめずに続けていたと、私は思います。
では、せっかくはじめた楽器。やめたくないけど・・・でも続けるのも成長が感じられないしどうしよう・・・と思ってしまった場合、どうしたらよいでしょうか?そういった場面に出くわした経験から、対処法を紐解いていきます。
また、後半部分は3か月という短期間ではなく、長い期間演奏をしているのに、成長を感じられない場合でも書いていきます。
①3か月前は演奏力がゼロだったことを忘れない
本当にこれは強く言いたいのですが、1番最初に楽器に触れてから数か月経った時って、少しは弾けています。よね?上手ではなくても、何かしら演奏できていると思います。その事実をなぜか忘れていて『自分は出来ない、成長していない・・・』と考える人が多い! です。
講師の立場から言わせていただきますと、楽器というものは、そうそう簡単に習得できるものではありません。まして【流れるように軽やかに演奏】の状態は、10年以上かかるのが一般的です。
不思議なことに、なぜかすぐに簡単にかっこよく演奏できるであろう。と考えている人が多いです。いやいや、そんなことは決してありません!そんなに簡単であれば、みんなプロになれてしまいます!😳
3か月続けている自分をまず褒めてください。そして、3か月前は何もできなかった自分の成長も感じてください。そうでないと、先がありません😿
②正しく練習しているかどうか?
練習って一体なんでしょう?実はここの部分を勘違いされている方も多いです。調べてみると【芸事や技術が上達するように、同じことを繰り返しならうこと(大辞林より)】とあります。
もう少し私が色をつけて補足すると【出来ないことをできるようにするために】と、上記の文章に付け加えます。
出来ることを繰り返しているだけのは、良い練習とは言い難い、と思います。悪い練習・・・とも言い切れませんが、成長は感じられにくい練習ではあります。
私が思う正しい練習とは、出来ない部分を出来るようにするために、練習時間の8割以上を占める反復作業のこと。だと思います。
人は、どうしても自分がラクな方、簡単な方・手がかからない苦労の無い方へ傾きがちになります。できることばかりをやっていても、現状維持までではないでしょうか。
生徒さんにも伝えますが『できないことはとりだして、細分化して繰り返し部分練習をしてください。』と伝えています。こういったことをしているかどうか?を振り返ってみてほしいです。
出来ないことをする作業や、反復練習というのはあまり楽しさを感じられないのですが、成長を感じたり、出来ないことが出来るようになる嬉しさは、この過程を踏まないとなかなか実感できないのもあります。
数か月後、成長している自分のために、ちょっとだけがんばってみてください。
③練習時間は短時間でも、なるべく毎日すべし
技術習得は特にそうですが、自分の習慣・血肉になるまではなるべく毎日やってほしいです。成長は、習慣にして身につく。というものですので、演奏がある程度『無意識』のような状態になるまで自分に習得させてください。
無意識というのは、気にしなくてもすぐに演奏に対して適した姿勢・手の形・指の力加減や脱力。といったことを意識せずに出来る事を指します。例えばですが、お箸でごはんを食べる時に、いちいち「指先は45度で、手首はまっすぐにして・・・」と考えないようなのと同じ状態ということです。
そのためには、忘却する時間の間隔を短くするしかありません。短時間でも毎日。というのはこういった点から判断したものです。毎日10分でもよいです。楽器に触れて練習してください。
人間の記憶というのは、24時間後には70%以上無くなってしまっていると言われています。詳しくは、エビングハウスの忘却曲線を書いたブログを読んでみてください。
④音楽教室は通っているだけではダメ
当然ですが、音楽教室に通っているだけでは成長はしません。教室に通っている年数は10年越えで長いのに、あまり演奏できない・・・というような方。たまに講師同士の話に出てきたりします😰
ただし・・・
- 教室に通うと音楽友達に逢えるからうれしい
- (グループ)レッスンの雰囲気が好き
- 先生と音楽の話をするのが好き
- 脳トレ、脳活性のため
など、演奏の上達を目的としていない場合はここには含まれません。(教室に通うことが楽しいのであれはOK!)
楽器習得は(正しい)反復練習が必要不可欠。さらに現状維持ではなく、更なる高みを目指して練習する必要がある。
のです。
本来の教室の存在意義は、正しい方向で練習ができているか?を正解を知っている先生と確認する作業場。であったり、自分の練習で分からないところを質問する場所。であって、その場だけを楽しむ場所という意味では、ちょっと違う場合があります。
もし家で練習できない、したくないという方は、教室に週2回以上、1回1時間程度(月8回以上)通えば、通っているだけでも成長は見込めると思います。
教室に通っているのに上手くならないな~と思っている方は、今一度、このことを確認してみてください。
⑤練習時のテンポが適切かどうか?
自分のイメージ通りに演奏することを優先するあまり、演奏(練習時)のテンポが速くありませんか?速く演奏すると、自分のニガテな部分がごまかされてしまい、なんとなく演奏は出来ている風になりますが、正しい綺麗な演奏とは言い難くなります。
そういった状態での演奏ですと、第三者に聴かせた時にやはり『なんとなくな演奏』になってしまい、人から上手だね、成長したね。といった言葉をもらいにくくなります。
ゆっくりキチンと演奏できれば、後でいくらでもテンポアップできます。今一度、練習方法の見直しと同時に、テンポも落としてしっかり演奏しましょう。
⑥メトロノームを使ってしっかり演奏できるようにする
こちらも生徒さんには強く伝えていますが、メトロノームを練習時に必ず使用してください。メトロノームとは、テンポをキープするための道具で、ゆっくりからでもきちんと使います。今は、スマホのアプリでも無料でありますので、1つダウンロードしておきましょう。
正確なテンポアップして、原曲に近い演奏ができるようになると成長をものすごく感じられますので、一石二鳥です。絶対!使いましょう。
⑦人の成長はきれいな右肩あがりではない
これは、楽器に限らず物事を習得する・改善する時の時間の経過として、決してきれいな右肩上がりではない、ということです。どちらかというと、上下しながら徐々に成長するという風な具合でしょう。
1か月間、ここまでがんばったのだから上手になっているだろう。と思ったりするのですが、その成果が発揮されるのがものすごく先の未来だったりします。
その結果の実感を得る前に、楽器をやめてしまう。という人も少なくないのではないかと思います。
本当の意味での楽器演奏の楽しみは、もっと先の話であるということ。そして、その成長は色んな経験を経て、今までの努力が重なって実感すると思います。そこまではあきらめずに取り組んでいってほしいと思います。
⑧目標とする演奏スタイル(成長点)がない
楽器演奏に憧れがあって、とりあえず始めてみた方に多いかもしれませんが、具体的な演奏スタイルの理想がない(目標や成長するための到着点)、フワフワした状態だと、成長を感じにくい場合があります。
後付けでもいいので、憧れのあの演奏スタイルや、あんな曲をこんな感じでやりたい。という目標を1つ、作ってみてください。
今は、足元にも及ばなくても、半年後には足元にはいけるかもしれません。1年後、もしかしたら半分は弾けているかもしれません。そういった成長の物差しになるようなものを作ってみましょう。
⑨時間だけ長くダラダラと練習している
上でも書きましたが、1日10分毎日練習。という場合と、1週間のうちに2時間ダラダラと練習するのとでは、いったいどちらが成長スピードがあると思いますか?
物事を忘れてしまう、という点からも、集中力の継続率からも、2時間程度でよいと思います。筋疲労や腱鞘炎にもありかねませんので、ほどほどでいきましょう。
⑩色んなジャンルの音楽を聴いていない
これは私の体感ですが、楽器演奏をしている・経験がある、ない…などなど様々な方を見ていて思うのが、色んな音楽を聴いている方の方が『音楽に慣れている』感じがあって、成長が早い気がします。
このバンドしか聴かない・この人しか知らない という人よりも、この映画のサントラが好き。自分はギターだけどピアノアレンジしたのを聴いてみた。(ギターしか聴かないとかは無い)などなど、幅広く聴いている人の方が良い耳をしていると思います。
せっかく楽器を始めたのであれば、その楽器のプレイヤーを少なくても10人程度を軽く聴いてみる⇨そこから好きな曲を見つけて他のアレンジを聴いてみる⇨演奏者を調べる⇨アルバムを探して聴いてみる・・・と繰り返すと、自然に広がっていきます。ぜひお試しください。
長い間、楽器演奏しているのに成長していないと感じるときは?
5年、10年と長く一生懸命取り組んでいるのに、なんかうまくなっていない気がする・・・そんな方はこちらを読んでみてください。
また初心者の方も、将来長くなったときに困らないように読んでおくと良いと思います。
①同じことの繰り返ししかしていない(現状維持)
現状維持は衰退。という言葉をご存知でしょうか?ウォルトディズニー氏の言葉で、ビジネスで使われる言葉ですが、これは自分自身の音楽生活にも感じる事です。
ある程度演奏技術があると、普通にできることが「クセ」のような感覚になり、練習というよりも「生活の1部」のような感覚になります。
それは居心地がいい反面、苦しくもなく、達成感もありません。つまり成長していない、ということです。
そして大人になれば、いやでも歳を取ります。肉体も脳も衰えていきますので、新しいことへの挑戦が億劫になってきます。よくないなぁ~と思いながらも挑戦しない自分になります。
楽器も同じで、出来る事よりも常に『少し先』に手を伸ばして新たなことに挑戦すべきだと思います。
別のジャンルに挑戦するもよし、楽器演奏のみでしたら作曲に挑戦してみる。耳コピも完璧にしてみる。などでもよいでしょう。
②感情の起伏を感じる演奏を目指しているか?を確認
演奏する際、指が早く動く・楽譜を正確に演奏できる。という方は意外と多くいます。しかし、そういった演奏は第三者が聴いた時に『ロボットが演奏したような演奏』に聞こえることがあります。つまり、感情の起伏がない、のっぺりした演奏という感想が出てしまう演奏です。
演奏を聴いてもらうと『あ、まあ、うまいんじゃない?』とか『まあまあ弾けてるね』というような感想をもらった時は、のっぺりした演奏になっていることがあるかもしれません。
感情をのせるような演奏は、本当に感情を入れる以外にテクニックでもあります。ぜひ研究してみましょう。
③真似からの脱却
上手な人の真似も、勉強する上ではとっても大切な方法です。しかし、歴も長くなり、上手になったら、真似からの脱却を考えてみましょう。守破離の法則です。
完璧なコピーをしてからオリジナルを探る旅に出る。のが、守から破に行く過程となります。プロになるわけではないかと思いますが、ずっと人の真似だけでは面白さは感じないかもしれません・・・。チャレンジしてみましょう。
まとめ
今回は、力が入って長文の記事になってしまいました… 😯 が、いかがでしたでしょうか?
講師をしている立場としても、楽器演奏好きな立場からしても、数か月で楽器演奏を諦めてしまう方を見ると心がキュッとなって悲しい気持ちになってしまいます。
なんとかして、こうして言葉で引き止めようと思いますが・・・。難しいですね。
途中にも書きましたが、そんなに楽器というものは簡単に習得できるものではない。と思いますので、始めたら最低1年。少なくても2年、3年くらいは続けてほしいな。と思います。
ひとりで続けるのが難しいと感じたら、ぜひ教室に通ってみてくださいね。
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